V字回復とは、FXを始めれば誰もが確実に損切り・ロスカットを食らう難関パターンです。
「急に下がってきた!損切り!→急騰して後悔」
「やっぱ下いくぞ。ショートしとこ→損切りに係る」
「買いポジション切られそう・・・ロスカット後に急騰」
こんな経験があれば、本記事を読めば大幅に改善できると思います。
頻繁に見られる値動きなので、取引で使えれば日常のトレードが大きく成長できるはずです。
今回は「V字回復」をテーマに、シンプルな攻略方法をまとめました。
FX初心者が焼かれる「V字回復」とは?
V字回復とは、文字通り「一旦は急落した価格が、V字を描いて急速に回復する値動き」です。
急落に飛び乗って、ここから下がると祈っても急上昇に転じることも多いV字回復。
他のチャートパターンと違い、2度同じレートを付けたりしません。
なので、FX初心者にとって攻略が難しい値動きだと思います。
また、ファンダメンタルズ的な要因でV字回復が起きやすいのも大きな特徴です。
とは言え、V字回復はテクニカル主体で起きる場合もありますし、ファンダメンタルズとテクニカルは両方を見るのが正攻法です。
テクニカルからも、十分にV字回復の攻略ができます。
V字回復が起きやすい相場環境は「節目」と「指標」
FXでV字回復を攻略するには、V字回復が起きやすい相場環境を知っておくのがベターです。
V字回復は、ただでさえ短時間で起きやすい現象なので、事前にV字回復が起きやすい相場を知っておかなければ、正確にトレードの判断ができません。
「ああ下がってきた売り!うわっ上がってきたじゃん」
こんな感じでV字回復を取引して負けているなら知っておいて損はないでしょう。
V字回復が発生しやすい場所
V字回復は、テクニカル上にも明確なヒントを見せる場合がほとんどです。
V字回復が見られた最安値、下髭で巻き返した終値などは重要な「節目」と重なる場合が多くあります。
「節目」とは、日足や週足などで引ける水平線です。
そもそも水平線が上手く引けない人は、以下の記事を読んでからV字回復の攻略を考えましょう。
水平線はFXの基礎中の基礎なので、先に水平線をマスターするのがオススメです。
V字回復が発生しやすい環境
V字回復が起きやすいのは、重要な経済指標の前後です。
経験則からの相場感ですが、指標発表直前に急落、発表中に中央最安値に位置して、発表と共にV字回復といった流れが多い気がします。
また、経済指標の中でも、雇用統計はV字回復とよく関連付けられる経済指標です。
雇用統計などの経済指標の数字だけでなく、時事的な材料からも相場観を意識する必要があります。
例えば、予想値よりも良い数字だったとして、時事的な材料は楽観だった場合には、良い数字は織り込み済みだったとV字回復に至らないケースもあるのです。
V字回復のテクニカル分析と攻略パターン
一言でV字回復といっても、複数のパターンがあります。
同じV字回復でも、細かい違いからFXでとるべき戦略も違うのです。
ここでは、よく見られるV字回復をパターン別に解説します。
筆者自身がV字回復をトレードする時に使っている小技や、よく負けてしまうNG例も一緒にまとめたので、参考までに読んでみて下さい。
パターン(1) 強気展開のV字回復
おそらくV字回復の理想的な形であり、一番トレードしやすいのが「強気展開のV字回復」です。
強気展開のV字回復は、V字の形でトレンド転換が発生しています。
下降トレンドの戻り高値だったA点を、V字に回復したB点が超えることで上昇トレンドに転換する流れです。
細かく見ると、小さな逆三尊の形成も確認されやすい傾向があり、強気展開のV字回復は大きく急騰しやすい理想的な展開と言えるでしょう。
筆者が強気転換のV字回復をトレードする時は、フィボナッチ・リトレースメントを使って分割エントリーをする場合が多いです。
もちろん、理想のエントリーポイントはV字の中央最安値です。
(あわよくば髭でキャッチできれば最高だと思います。)
とは言え、そんな都合よく行かないし、ドンピシャで価格を当てられるほどのスキルは持ち合わせていません。
V字回復の形ができれば、フィボナッチ・リトレースメントを当てられるので、38.2~61.8の間で分割エントリーでロングを検討します。
損切りは、中央最安値の直下に置くことが多いです。
【NGパターン】弱気展開・底値の攻防がない
強気があれば弱気もあります。
弱気展開のV字回復は、上下に触れつつ下がって行く最悪のパターンです。
おそらく、売りで損切り・買い損切りの往復ビンタを経験した人も多いのではないでしょうか?
(筆者は多々あります。)
弱気展開のV字回復では、急落前の高値を超えることなく、下降トレンド継続の展開を起こします。
弱気展開のV字回復になりやすい値動きとしては、以下の3つが多いです。
- 安値の髭が相対的に見て長くない
- 急落の陰線も実体が大きい
- 安値で攻防がない
安値の髭が相対的に見て長くないとは、急落前の左側のローソク足と比較して判断します。
一見、長く見えても直前で同じ長さの髭があれば、髭が長いとは判断しません。
また、陰線の実体が大きければ、それだけ下げ圧力が強く、V字回復はただのショートカバーで終る可能性が高いです。
安値圏の攻防もなく、中途半端に上げてくるなら、根本的に重要な節目ではないので下げ継続となります。
このように、弱気のV字回復には分かりやすい兆候もあるので、チャートを見直すと三尊天井や、ダブルボトムなどシンプルに戻り売りポイントだったというケースも多々あります。
パターン(2) V字回復からの転換パターンの形成
「V字回復から転換点を形成」も比較的トレードしやすい値動きです。
見られやすいパターンとしては、下降ウェッジの形成中に底値圏でV字回復を見せ、そのままトレンド転換の値動きだと思います。
ウェッジを抜けた後に、明確なレジサポ転換や逆三尊の形成も見られやすいです。
V字回復から転換点を形成する場合は、キレイな押し目を何度も付けることが多いです。
下降ウェッジのサポートライン、ウェッジ抜けのレジサポ転換、逆三尊前の安値切り上げなど、順張りの買いを検討しやすいと思います。
また、分かりやすい押し目を付けることで、後を追って買いやすいことからボラティリティ増加と共に大きく上がりやすいのが特徴です。
【NGパターン】V字回復の連発で乱高下
転換点を明確に形成する場合のV字回復は、転換点を形成すればトレードチャンスが分かりやすくなります。
なので、NG例としては形成する前の過程で乱高下の中で無理に取引していしまうことです。
乱高下に入る場合には、弱気のV字回復が見られるケースが多いと思います。
中途半端に戻したV字回復で、買い手と売り手が迷い、乱高下相場に突入するメカニズムです。
乱高下も大まかには下降トレンドですが、最終的にV字回復で上限をブチ抜く可能性もあるので、あまり売りで付いていくのはオススメしません。
筆者は利食いに迷うので、弱気のV字回復に対して、売りで付いて行かない様にしています。
パターン(3) V字回復後にボラティリティの縮小
V字回復からのボラティリティ縮小パターンは、最終的に単なる戻り売りポイントになりやすいです。
急落から一気に戻すも、一過性の上昇で長続きしません。
キレイな下降トレンドの途中で発生しやすい傾向があります。対局を支配するのは、複数の時間軸で確認できる下降トレンドです。
ただし、短期的ではあるものの一瞬で買い戻される動きが発生することで、細かい攻防となります。
戻り売りのチャートパターンを攻防の中で形成し、再び下降トレンドとなるケースが多いです。
NGパターンは特にありません。
なぜなら、一過性の上昇から一方的に買われる展開は滅多にないからです。
筆者のトレード勝率が著しく下がる時も、一気にV字回復から買われ続ける展開の時、かなり苦手意識のある相場になります。
急激にV字回復、ローソク足1~2本で完結する展開の後は、ボラティリティが縮小し、小さなチャートパターンの形成を待つのが鉄板です。
V字回復の取引はブローカーも重要
V字回復は、攻略が難しいものの、短時間で大きな値幅が動きやすいのでトレードするには効率の良い展開です。
ここまで、V字回復の攻略方法をテクニカル中心に解説しましたが、意外とFXブローカー選びもV字回復攻略の必須要素だったりします。
なぜなら、V字回復の様な短期期間で大きく動く相場環境は、FXブローカーの持つ約定環境が深く関係しているからです。
例えば、レートエラーや明らかにブローカー側が意図的に行っている様なストップ狩りがあるFXブローカーはオススメしません。
約定環境に力を入れているFXブローカーを使うことで、V字回復の荒い相場環境でもチャートが乱れず、注文が正確に通りやすいです。
V字回復のシンプルな攻略方法 まとめ
今回は、FXでよく見られるチャートパターン「V字回復」をテーマに解説しました。
V字回復は、FX初心者だけが悩まされるものではありません。
意外と、中級者以上になってもV字回復で負けやすい人は少なくありません。
本記事でも、代表的なV字回復のパターンを解説しましたが、細かく見ると筆者自身も苦手なパターンが存在しています。
シンプルですが、今後も研究しつつ、トレードの精度を上げられる様に一緒に頑張りましょう!
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