アダム&イブのチャートパターンは、意外とトレード経験が長くても知らない人が多いです。
ダブルボトムやソーサーボトム、V字回復などを複合した様な形なので、パターンが出現しても余り気づけないのが理由だと思います。
とは言え、アダム&イブがチャートに出現すると、大相場がやってくる可能性が高く、覚えて損のないチャートパターンです。
筆者自身も大好きな「型」の1つなので、今回は「アダム&イブ」について深堀りしていきます。
チャートパターン「アダム&イブ」とは?
アダム&イブのチャートパターンは、いわゆるトレンド転換と深く関係します。
長期足のレジサポや、100円・101円といったキリ番の価格で、跳ね返る価格の動きがアダム&イブの形を作るのです。
アダム&イブの「アダム」は鋭角の値動きが特徴になります。
アダムは、V字回復の形と覚えると簡単です。
一方で、「イブ」は丸みを帯びて底値や天井圏を固める値動きで形が作られます。
イブは、いわゆるソーサーボトムやカップ&ハンドルと同じ原理なので、アダム&イブはV字回復とお椀上のボトムで作られるチャートパターンと覚えればOKです。
アダムが一過性の上昇で形成されるのに対して、イブはレンジ相場など小動きが多くなりやすい傾向があります。
【実例紹介】ビットコインで見られたアダム&イブ
アダム&イブの実例として分かりやすいのはビットコインのチャートです。
過去を振り返ると、ビットコインの大規模な急騰相場では、アダム&イブのチャートパターンが出現していました。
例えば、1BTC=3000ドルにまで下落した2017年のバブル崩壊からの復活も、2018年から2019年の1年間を掛け、大型のアダム&イブを形成しました。
ネックラインを抜けてからでも、2.3倍の価格まで約90万円の急騰を相場を発生しています。
直近の史上最高値更新でも、実はアダム&イブが確認できます。
イブとアダムの順に見えますが、本質的に相場へもたらす意味は同じです。
時間を掛けた底固めのイブと、大きく反応するアダム「このレートを超えるのは無理!」と大衆が意識するのが重要になります。
ビットコインがわずか160日間で500万円以上の価格に押し上がった理由は、2018年~2020年の2年間で作られた大型のアダム&イブによって「ココが底値」と強い意識を作ったことです。
もちろん、何かしらのサプライズになるニュースも後押しがあったと思いますが、テクニカル上でもアダム&イブは十分な急騰の理由として成立します。
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アダム&イブを使ったトレードシナリオ解説
アダム&イブのチャートパターンを使ったトレードを考えてみましょう。
チャートパターンは、形だけ覚えて実践しようとしても失敗しやすいです。パターン出現前の兆候から、自分自身で考えながらトレードで活用するのが大切。
ここでは、リアルチャートからアダム&イブを使ったトレードシナリオを、筆者がどう考えてエントリーするかを具体例に解説します。
例えば、このXAU/USD5分足チャートでは急落後にアダム&イブを形成して一時的に急騰してます。
結論から言うと、黒線で示した部分がロングのエントリーポイントです。
アダム&イブが出現する兆候から、エントリーに至るまでの考え方を解説します。
急落後の節目で反応する動きがアダム出現の兆候
XAU/USD5分足チャートでは、かなりの急落が走りました。
その後、日足で水平線がある価格帯で、短時間で同じ価格でもみ合う現象が起きています。
下髭で何度も買いさせられ、一瞬吹き上げる動きは、アダム出現の兆候です。
アダムより時間を掛けた調整がイブの出現
アダムが発生した後、再度下落に挑戦するもボトムの近くで再びもみ合います。
レンジ相場を形成しますが、この時レンジの上下限のいずれかか分かりやすい意識のされ方をしていることが重要です。
画像内では安値の実体部分がキレイに揃っているのが分かります。アダムより長い時間を掛けて調整するのがイブ出現の兆候です。
イブのレンジを抜ける動きが確認できれば、筆者の場合はエントリーを行います。
ネックライン超え、もしくはネックラインでレジサポ転換を確認してからエントリーといった意見も多いですが、個人的にはオススメしません。
なぜなら、ネックラインを超えてからだと、損切り幅が大きくなる上、アダム&イブの場合はネックラインまで戻らず急騰・急落のケースが多いからです。
ちなみに実例でピックアップしたビットコインでも、アダム&イブを形成した後にレジサポ転換の押し目はありませんでした。
アダム&イブの期待値
アダム&イブは、ようするにダブルボトム亜種です。
なので、期待値の見積りもダブルボトムと同様に、ネックラインとボトムの値幅を参考に考えます。
画像の様に、ネックラインからボトムをローソク足の実体部分で考えて、ネックラインブレイク後に当てます。
すると、最初に上げ止まりを見せた価格と重なるので有効です。
期待値以上に上昇することも多々ありますが、筆者の場合はここまでで半分のポジションを決済します。
アダム&イブのチャートパターン まとめ
今回はアダム&イブのチャートパターンについて解説しました。
マイナーなチャートパターンですが、出現頻度は少なくありません。
他のチャートパターンより、アダム&イブは難しいと思います。
ちなみに筆者自身は、アダム→イブの順で出現する場合のトレードは得意ですが、イブが先だった場合のトレードは苦手です。
何か新しい発見があれば、随時更新していきますね。他にもトレードで役立つテクニカルスキルを発信しているので、他の記事もぜひ!
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